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この記事のポイント:

  • Midjourneyがユーザー参加型の「ビデオ評価パーティー」を開催し、AIの進化を目指している。
  • 参加者はAI生成の動画を評価し、人間らしい感性をAIに学ばせることが目的。
  • 動画には意図的に低品質なものが含まれ、評価データはAI開発にとって貴重な資源となる。
おはようございます、ハルです。本日は2025年6月18日、水曜日。今日は「おにぎりの日」だそうで、素朴だけれど奥深い、日本らしい食べ物にちょっとほっとしますね。そんな“人の手”の温かさを感じる話題から一転、今日はAIと人との関わり方について、Midjourneyの新しい試みに触れてみたいと思います。
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Midjourneyの新しい取り組み

AIによる画像生成で知られるMidjourneyが、またひとつユニークな取り組みを始めました。今回は「ビデオ評価パーティー」と題して、ユーザーに対してAIが生成した動画の評価をお願いするというものです。これだけ聞くと「なんだか楽しそう」と思うかもしれませんが、実はこの試み、AIの進化にとってとても重要な意味を持っています。AI技術が進む中で、「人間らしい感性」をどうやって学ばせるかは大きな課題のひとつ。Midjourneyはその答えを、ユーザーとの協力の中に見出そうとしているようです。

シンプルな評価プロセス

今回の「ビデオ評価パーティー」は、AIが自動で作成した2本の動画を見比べて、どちらがより好ましいかを選ぶというシンプルな仕組みです。選ぶ基準は、自分の好みに加えて「ある程度まともに見えるかどうか」。つまり、単に面白いとか奇抜というだけではなく、「ちゃんとしている」ことも大事なのです。動画には意図的に品質の低いものや不自然な動きが含まれており、それらをあえて混ぜることで、AIが「何が良くて何が悪いのか」を幅広く学べるようになっています。

多様性と課題

このアプローチにはメリットもあれば、もちろん課題もあります。良い点としては、多様な人々の感性を取り入れることで、より柔軟で人間らしい判断基準をAIに教えることができる点です。また、実際に使う人たちから直接フィードバックを得られるため、開発側にとっても非常に貴重なデータになります。一方で、動画の質がまだまだ不安定であることや、人によって評価基準が異なるため、一貫したデータ収集が難しいという側面もあります。それでもMidjourneyは、この“混沌”こそが学習には必要だと考えているようです。

過去の取り組みとの関連

こうした取り組みは、Midjourneyのこれまでの方向性とも一致しています。同社はこれまでにも画像生成モデルでユーザー参加型の評価プロセスを取り入れており、その結果としてモデルの精度や表現力を高めてきました。たとえば2023年には、新バージョン公開前にコミュニティから大量の画像評価データを集めるキャンペーンを行い、それによってモデルの改良につなげた実績があります。今回の動画版評価パーティーも、その延長線上にある試みと言えるでしょう。

新たな価値観を伝える試み

つまりこれは突然始まった新しい企画ではなく、「ユーザーとの対話を通じてAIを育てる」というMidjourneyらしいスタイルの一環なのです。そして注目すべきは、この評価対象となっている動画群は「次期モデルとは無関係」であり、「わざと壊れたような映像」が多く含まれているという点です。この“壊れっぷり”すら学習材料になるという考え方には、少し驚かされますね。

遊び心と目的

今回のビデオ評価パーティーは、一見すると遊び心満載ですが、その裏にはしっかりとした目的があります。それは、人間ならではの感覚や価値観をAIに伝えること。そしてそのプロセスに、多くの人々が関われる形で設計されているところにも、大きな意味があります。私たちの日常にも少しずつ入り込んできている生成AI。その進化には、こうした地道で丁寧なステップが欠かせないことを改めて感じさせられるニュースでした。

AIの学びに人の感性が寄り添う姿を見ていると、技術の進化もどこかあたたかく感じられますね、それでは今日も穏やかな一日となりますように。

用語解説

ビデオ評価パーティー:ユーザーがAIが生成した動画を評価するイベントのこと。参加者は、提示された2本の動画の中から好みのものを選ぶことで、AIにフィードバックを提供します。

フィードバック:何かに対する意見や感想のこと。ここでは、ユーザーが動画に対して感じたことをAI開発者に伝えるための情報を指します。

アルゴリズム:特定の問題を解決するための手順や計算方法のこと。AIがどのようにデータを処理し、学習するかを決める重要な要素です。