学習のポイント:

  • プロンプトは生成AIに伝えるための「指示文」で、要望を具体的に書くことで、より的確な答えが得られます。
  • 良いプロンプトを作ることはとても大切で、目的や条件を明確に伝えることでAIの力を引き出せます。
  • 「プロンプトエンジニアリング」という新しいスキルが注目されており、今後の仕事や暮らしの中でますます重要になります。

そもそも生成AIとプロンプトってどういう関係?

たとえば、カフェで「ホットコーヒーをください」と注文すると、店員さんは豆の種類やミルクの有無などを考慮して、一杯のコーヒーを用意してくれますよね。このやり取りは、生成AIとの会話にもよく似ています。

AIに何かお願いごとをするときも、「どんなことをしてほしいか」を言葉で伝える必要があります。その“お願い”が、まさに「プロンプト」と呼ばれるものです。

プロンプトってなに?基本のしくみを知ろう

プロンプト(Prompt)とは、生成AIに対して「こんな答えがほしい」と伝えるための入力文や問いかけのことです。たとえばChatGPTに「今日の天気は?」と聞く行為も、それ自体がプロンプトになります。

もう少し複雑な例として、「夏休みに家族で行ける関東近郊のおすすめ旅行先を3つ教えて。子どもが楽しめる場所がいいな」といったように、希望する条件を具体的に書くことで、返ってくる答えもより自分に合ったものになります。

このように、プロンプトはAIとのコミュニケーションの入り口です。そして、その入り口の作り方によって、AIから得られる情報や提案の質が大きく変わってきます。どれだけ高性能なAIでも、人間側から投げかける言葉があいまいだったり漠然としていたりすると、その力を十分には発揮できません。

うまく使うコツと気をつけたいポイント

たとえば、「簡単な夕飯レシピちょうだい」とだけ伝えるよりも、「10分以内で作れて洗い物が少ない、一人暮らし向けの和風夕食レシピを教えて」と頼んだ方が、自分にぴったり合った答えが返ってきやすくなります。

このように、自分の目的や条件をうまく盛り込んだプロンプトは、“良い質問”とも言えるでしょう。ただし注意したい点もあります。あまりにも細かすぎたり長すぎたりすると、逆にAIが混乱してしまうことがあります。また、同じ内容でも使うAIによって返ってくる答えが異なる場合があります。これは、それぞれのAIが学習しているデータや仕組みに違いがあるためです。

こうした背景には、「LLM(大規模言語モデル)」という技術があります。これは大量の文章データから学習したAIで、人間と自然な会話ができるよう設計されています。このあたりについては別の記事で詳しくご紹介しますね。

最近では、「プロンプトエンジニアリング」という新しいスキルにも注目が集まっています。これは、生成AIからより良い答えを引き出すために、“上手な問い”を作る技術です。人間とAIとの橋渡し役とも言えるこのスキルは、これからさまざまな仕事や日常生活でますます重要になっていくでしょう。

言葉選びひとつで変わる、AIとの心地よいやり取り

結局のところ、プロンプトとはただ命令するためだけの言葉ではありません。「自分は何を求めているか」「どんな形で返してほしいか」を相手(この場合はAI)に伝えるための工夫そのものです。

それは、人との会話でも同じですよね。相手に気持ちよく動いてもらうには、自分本位にならず、相手への配慮ある言葉選びやタイミングが大切です。それと同じように、生成AIとの対話にも思いやりや工夫が求められる場面があります。

最初は少し難しく感じるかもしれません。でも試しながら慣れていけば、「こう聞けばもっと良い答えになるんだ」と自然と感覚がつかめてきます。そしてその小さな発見こそ、「自分もうまくAIと付き合えているんだな」と感じられる嬉しい瞬間になるでしょう。

用語解説

プロンプト:生成AIに対して「こんな答えがほしい」と伝えるための指示文や問いかけです。たとえば質問を書くこと自体がプロンプトになります。

プロンプトエンジニアリング:良い問いかけ(=プロンプト)を作る技術です。人間とAIとの会話をスムーズにつなぐために必要となるスキルであり、今後さらに重要性が高まっていくでしょう。

LLM:「Large Language Model(大規模言語モデル)」という意味で、大量の文章データから学習した高性能なAIです。文章理解や生成能力に優れており、多様な質問にも対応できます。